環境問題について

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自然

オゾン層とオゾン層破壊

オゾン層とは地表約10km~50km上空の成層圏に存在し、太陽光に含まれる波長280~320nmの有害紫外線(UV-B)を吸収するして地球上の生物を守っていることから、「地球の宇宙服」と呼ばれています。

しかし、冷凍・冷蔵庫・カーエアコンなどの冷媒に使用されているフロンガスが原因でオゾン層の破壊が全世界的規模で進んでいることが確認されました。

オゾン層が破壊されると、地上に到達する有害な紫外線の量が増え、人の健康(皮膚ガン・白内障などの疾患)や生態系に悪影響を及ぼすと恐れがあります。このようなことから、フロンを大気中に放出しないで回収し、適正に処理する必要があります。

オゾン層破壊のメカニズム



フロンとは?

正式名称をフルオロカーボン(炭素とフッ素の化合物)といいます。私たちの身の回りでは、いろいろなところでフロンが使用されています。 (家庭用冷蔵庫、ルームエアコンの冷媒、カーエアコンの冷媒、業務用エアコン・冷蔵・冷凍機器の冷媒など)

フロンにはオゾン層を破壊する力の強いCFC(クロロフルオロカーボン)と代替物質であるオゾン層破壊の効果が小さいHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)や全く破壊しないHFC(ハイドロフルオロカーボン)があります。

また、これらの物質はオゾン層破壊物質であるだけでなく、地球温暖化をもたらす温室効果ガスであることも分かっています。

フロンの性質は、毒性がなく、化学的に安定で燃えにくく、揮発性が高い等の便利な性質を持っており、冷媒、洗浄剤、発泡剤、スプレーの噴射剤等私たちの生活の身近なところで広く使用されてきました。

また、オゾン層を破壊する物質には、このほか消化剤として使用されるハロンや土壌くん蒸や検疫くん蒸に使用される臭化メチル等があります。

身の回りのオゾン層破壊物質

CFC等は、かつては様々な用途にしようされていましたが、生産規制に伴いその大部分は非フロン系に転換されています。HCFCや温室効果ガスであるHFCも含め、その転換状況の例は以下のようになっています。


フロンと地球温暖化

地球温暖化問題は人類の生存基盤に関わる最も重要な環境問題の一つであり、21世紀末には、1990年と比べて、全地球的な平均気温が最大5.8度、海面が最大88cm上昇する可能性があると予測されています。

この地球温暖化をもたらすとされる物質として、二酸化炭素(CO2)に加え、代替フロン(HFC)等も指定されています。これらについては、排出を抑制することが必要とされています。

フロンの回収

従来、オゾン層破壊物質の排出抑制については、「オゾン層保護法」等による生産規制等のいわゆる”蛇口規制”によって行われてきました。しかし、オゾン層の保護を進めるためには、既に生産された製品中に含まれるオゾン層破壊物質の排出を抑制することも必要です。また、地球温暖化の防止の観点からは、オゾン層を破壊しないものの温暖化効果を有する代替フロンの排出も抑制しなければなりません。

このため、製品中に含まれるフロン類の回収を義務付ける制度が法律によって設けられています。消費者、メーカー、回収・破壊事業者がそれぞれの責務を果たし、協力していくことが必要です。